柿の実が大きく成長しはじめるころに、実が落下してしまうことがあります。
柿の木の病気なのでしょうか?それとも、害虫?
柿の落果には、3つのことが原因として考えられます。
そこで、「柿の実が落ちる」原因や対策について紹介します。
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柿の実が落ちるのはどうして?〈原因〉
梅雨が明けるころから、柿の果実が大きくなり始めます。
このまま、果実が成長し、秋にはたくさん収穫できるといいのですが、その前に落下してしまうことがあります。
柿の実が落ちてしまう原因は、主に3つあります。
(1)生理落果
実をつけすぎた場合に、樹を守るために、実を落とす現象です。
落下している実にヘタがついていれば、この「生理落果」の可能性が高いです。
梅雨前後や青い実の落下も、生理落果によるものでしょう。
(2)害虫
害虫であれば、「ヘタムシ」か「カメムシ」などによる害の可能性が高いでしょう。
「ヘタムシ」は、正式には「カキノヘタムシガ」というガの幼虫によるものです。
特徴としては、落下した果実にヘタが付いていません。
この幼虫は、ヘタの部分から果実に侵入します。
ヘタムシが侵入した果実は、暗緑色や赤茶色になり落下します。
「カメムシ」は、果実の汁を吸います。
8月までの被害では、実が落下します。
それ以降に被害を受けた実は、吸われた箇所がへこみ、実がスカスカの状態になります。
7月以降は、カメムシが増えるので注意が必要です。
(3)病気
病気による柿の実の落下は、『炭そ病』の可能性が高いでしょう。
『炭そ病』は、カビの一種である「糸状菌」が原因で起きます。
この病気にかかると、果実に暗褐色の楕円形の斑点ができます。
7月ごろと9月ごろに発病しやすくなります。
特に9月に発病した場合には、早熟して実が落ちます。
柿にとっては、重大な病気で、台風や大雨で広がるので、注意が必要です。
▼ 関連記事
『柿の実の落下はいつまで続く?摘果と収穫後までの肥料について』
柿の消毒で落ちるのを防げる?〈対策〉
では、落果を防ぐ対策はあるのでしょうか?
(1)生理落果
・肥料の窒素分を少なくしたり、施肥時期が遅かった場合は、来年以降は時期を早めると良いでしょう。
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・樹に日があたるように剪定します。
ただし、剪定のしすぎに気を付けてください。
(2)害虫
『スミチオン乳剤』を1000倍に薄めて散布します。
(時期)7月下旬~8月上旬
(頻度)1週間おきに与え、様子をみながら3回程度散布します。
▼ カメムシの駆除に関する分かりやすい動画がありましたので、ご参考にされてください。
こちらの動画で使用されている薬剤は、ネオニコチノイド系の「アクタラ」です。
(3)炭そ病
残念ながら、発生してからの防除は難しいです。
発生した場合は、被害が広がらないように予防的な防除を行います。
込み合った枝があれば、剪定して風通しをよくしましょう。
また、肥料の与えすぎにも気を付けましょう。
そして、発生部位はすぐに取り除き、焼却するなどして処分してください。
また、一度発生すると、枝などに潜んでいる病原菌により、翌年も発生しやすくなります
薬剤を散布する場合は、冬季に行うと効果があります。
『トップジンM』の500倍液を枝にまんべんなく散布すると良いでしょう。
このように、害虫による落果にのみ、薬剤散布が有効です。
その他の原因による落果は、来年以降のために、収穫後の作業となります。
また、日照不足も柿の実の落果に影響する場合があります。
適切な剪定で、日照不足を解消することも大切です。
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『柿の栽培で消毒時期はいつ?ヘタ虫を駆除!消毒以外の害虫防除方法は?』
『柿の生理落果対策に大切な作業!?摘蕾を行う時期とその方法は?』
『柿の木の剪定は冬にするべき?翌年の収穫をよくする剪定方法と注意点』
さいごに
丹精込めてお世話している柿の樹に実が沢山つくと、収穫が楽しみですよね。
柿の実が落果する原因には、主に3つが挙げられます。
「生理落果」「害虫」「炭素病」です。
このうち、「害虫」による落果の場合は、薬剤を散布します。
「生理落果」「炭素病」の場合は、肥料の調整や剪定、予防的な防除を行います。
柿の実の落果を防いで、秋には、美味しい柿を収穫してくださいね☆
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