春になり暖かくなるにつれて、植物の成長にも勢いが出てきます。
収穫を楽しめる野菜や果樹の栽培には、大切な時期でもあります。
今回は、日本の果実としてお馴染みの『柿』を取り上げます。
『柿』は、梅雨時期ころから「生理落果」が起こります。
この「生理落果」を少なくする対策はあるのでしょうか?
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柿の生理落果を少なくする対策は?この作業が大切!
春になると、新しい枝が伸びます。
この新しく伸びた枝を「新梢(しんしょう)」といいます。
4月には、新梢のわきに小さな蕾がついてきます。
そして、5月下旬ころになると花が咲きます。
『柿』の花の後には、果実が育っていきます。
これが、梅雨時期ころから落果するようになります。
この時期の落果は、「生理落果」によるものが多いです。
せっかくついた果実がどんどん落ちてしまっては不安になりますよね。
『柿』の「生理落果」は、日照不足による栄養不足などが原因ですが、
適切な作業が行なわれていない場合にも多くなります。
『柿』の「生理落果」を少なくするには、「摘蕾(てきらい)」という
作業が大切となります。
「摘蕾」とは、新梢についた蕾の数を調整する作業です。
この「摘蕾」を行うことで、残した蕾に養分が集中し、果実が大きく
育ってくれます。
さらに、果実の数も調整できるので、「生理落果」を少なくすること
につながります。
また、『柿』の「生理落果」対策には、「受粉」という作業も大切です。
「受粉」の作業は、『柿』の品種にもよりますが、「生理落果」の多い品種
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には必要な場合が多いです。
「受粉」が必要な品種としては、「富有」などです。
柿の生理落果対策!摘蕾を行なう時期とその方法は?
では、「摘蕾」とは ” いつごろ” ” どのように” 行えばよいのでしょうか?
まず、『柿』の「摘蕾」を行なう時期は、「5月上旬ころ」です。
つづいて、「摘蕾」の方法を見ていきましょう。
『柿』の「摘蕾」は、新梢1本につき蕾を1個にする作業です。
新梢には、5個前後の蕾がつきます。
これを1個にすることで、残した蕾に養分を集めることができるので、
大きな果実に育ちます。
「摘蕾」を行わないと、果実の数は多くなりますが、実は大きくなりません。
「摘蕾」の方法は、「新梢1本につき蕾を1つ」にするように、他の蕾を
摘み取ります。
残す蕾は、新梢の真ん中くらいについているもので、ヘタの形がきれいなもの
を選びましょう。
「新梢の真ん中くらいについているもの」というのは、『柿』の実が大きく
成長していく際に、他の実とぶつからないようにするためです。
さいごに
暖かい季節が始まると、果樹栽培にも手が掛かるようになります。
ですが、中でも、『柿』は育てやすい果樹のひとつです。
ここで適切な作業を行うことで、「生理落果」を減らし、大きな実りを授け
てくれるでしょう。
立派な『柿』の実に育つのが楽しみですね。
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