柿の栽培では、梅雨頃からは幼果が落ちて心配になる時期となるでしょう。
これが、生理落果ではなく、病害虫によるものなら対策が必要です。
害虫では、カイガラムシやヘタムシガが疑われます。
これらの対策として、消毒や防除をする必要があるかもしれません。
そこで、「柿木の消毒」について、殺虫消毒時期や方法を紹介していきます。
※薬剤について内容を一部訂正しております。
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柿の栽培で消毒時期はいつ?
「柿」は、6月中旬頃から生理落果が始まります。
生理落果は、梅雨の日照不足などが原因で栄養不足になった実が落ちる現象です。
落果が、この生理落果によるものなら良いのですが、害虫が原因の場合もあります。
害虫が原因の場合は、消毒をする必要があります。
まずは、落果が害虫によるものかどうかを見なければなりません。
梅雨頃から、フジコナカイガラムシやカキノヘタムシガが発生します。
どちらも、ヘタ部分をかじったり、ヘタから果実に侵入したりします。
なので、落果した幼果のヘタ部分に、虫や糞が付いていないかチェックしましょう。
また、柿の木にも害虫が付いていないか見てください。
もし、梢でカイガラムシを見つけた場合は、小さなブラシでこすって取り除きます。
被害にあった果実も取って処分しましょう。
もし、発生がひどいようなら薬剤による消毒が必要です。
フジコナカイガラムシの消毒は、4月~7月にかけて行います。
使用する薬剤は、以下のようなものがあります。
< フジコナカイガラムシの消毒 >
・ベニカ水溶剤
・オルトラン水和剤
・スミオチン乳剤
・マラソン乳剤
柿の消毒でヘタ虫を駆除!
柿の栽培において、最も注意しなければならない害虫が、カキノヘタムシガです。
カキノヘタムシガは、柿特有の害虫です。
ヘタ部分から果実に侵入して、果実を食べてしまいます。
このため、果実が落ちて、収穫が少なくなってしまうこともあります。
では、このカキノヘタムシガの防除はどのように行えば良いのでしょうか?
カキノヘタムシガは、6月と8月に発生することが多いです。
6月に発生を確認した場合は、8月に薬剤で防除します。
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カキノヘタムシガの防除は、6月と8月の2回の消毒が基本とされています。
ですが、家庭栽培の場合は、8月のみでも効果があるとされています。
1回になる分、この8月の薬剤防除は、とても重要となります。
カキノヘタムシガの薬剤散布の時期は、8月上旬です。
消毒に使う薬剤は、ジノテフラン水溶剤です。
家庭栽培で使いやすい「ジノテフラン水溶剤」には、以下のようなものがあります。(※一部訂正しています)
<カキノヘタムシガの消毒>
・アルバリン顆粒水溶剤
・スタークル顆粒水溶剤
これらの他には、下記の薬剤がヘタ虫の消毒に有効とされています。
・家庭園芸用オルトラン水和剤
・モスピラン液剤
また、柿農家では、次のような薬剤が使用されています。
・有機リン系 トクチオン(使用回数制限:年2回)
・BT剤 バシレックス(使用回数制限:なし)
『BT剤 バシレックス』は、微生物殺虫剤なので、薬害の心配が少ないです。
しかし、他の薬剤より手間がかかります。
また、7月以降はカメムシの被害にも要注意です。
カメムシの防除については、こちらの記事をご参考にされてください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
『柿の実が落ちるのはなぜ?原因や消毒で落ちるのを防ぐ対策』
柿の消毒以外で害虫防除の方法は?
柿の栽培では、薬剤を使った害虫防除が基本です。
ですが、薬剤を使わない方法もあります。
それは、「バンド誘殺」という方法です。
害虫は、寒くなってくると、越冬するための場所を探して、木に集まってきます。
柿の木では、低いところに集まってきます。
なので、木の低い位置に、こもなどのバンドを巻いて害虫を集めます。
この「バンド誘殺」の作業は、9~10月に行います。
地際から1.5mあたりの幹や骨格枝にこもや古着を巻き付けます。
ひもで縛って固定しましょう。
これで、越冬し、暖かくなる前に、バンドを外して処分します。
害虫を発見してすぐ出来る作業ではありませんが、翌年の対策にはなります。
翌年の害虫発生を抑えるためにも、この作業をすると良いでしょう。
さいごに
柿の木の栽培では、実がつく頃から、実の落下が心配になってきます。
生理落下でない場合は、カキノヘタムシガなどの害虫には注意が必要です。
ご家庭での柿栽培では、8月に害虫防除の消毒を行いましょう。
立派な柿に成長し、たくさん収穫できるといいですね。
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