寒い冬は、幻想的な景色を楽しめる季節です。
なかでも、人々を魅了するのが「蔵王の樹氷」です。
シーズンとなると、毎年多くの人々が訪れる人気スポットです。
ですが、この「蔵王の樹氷」がピンチなのです。
その原因と対策などについてご紹介していきます。
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蔵王の樹氷が枯れる!?原因は?
山形県の蔵王では、冬になると樹々に樹氷が付き、幻想的な光景が広がります。
この樹氷がつくのがアオモリトドマツ(正式和名:オオシラビソ)という針葉樹です。
樹氷とは、
アオモリトドマツの枝や葉に、雪雲の水滴や雪が繰り返し付着し、固まって、大きくなったものです。
大きくなった樹氷のユーモラスな姿から、
『スノーモンスター』ともいわれているのです。
ですが、このモンスターが弱ってしまっているのです。
どういうことなのでしょうか?
蔵王連峰の地蔵山では、広範囲にわたり、アオモリトドマツが枯れているのが確認されたのです。
枯れているのは、蔵王ロープウェイ蔵王山麓駅から地蔵山山頂駅の中腹(標高1420メートル)の付近と山頂付近です。
枯れた原因は、キクイムシという虫の害によるものだとのことです。
キクイムシは、樹を食べる虫で、樹に穴をあけてしまう困った害虫です。
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山頂付近では、ほぼ全部の樹が立ち枯れしているというひどい状態です。
これには、2016年に終息したハマキ蛾による害の影響が関係しているとの見解もあります。
というのも、キクイムシは、衰弱した樹を食べることが多いのです。
山頂付近のアオモリトドマツは、一度ハマキ蛾の害を受けています。
その食害が収束しても、樹自体は健康を取り戻していません。
そのため、キクイムシに狙われやすい状態だったと思われます。
このように、蔵王では樹氷のアオモリトドマツの多くが枯れてしまっているのです。
さらに、キクイムシの害により弱った樹が、雪などの重みで折れてしまうことも危惧されています。
枝や幹が折れてしまうと、樹氷が出来なくなってしまいます。
そのため、今後も樹氷が見れるか懸念されているのです。
蔵王の樹氷はもう見れない?対策あるの?
蔵王では、樹氷のつくアオモリトドマツが枯れていってる状態です。
今後はどうなるのでしょうか?
山頂付近で確認されたキクイムシの害が、他の場所でも確認されたのは、気温が高い日が多くなったために、虫の移動が広がったといわれています。
近年は猛暑など気温の高さが取り沙汰されています。
となれば、今後も害が広がる可能性も考えられます。
では、もう樹氷を見れなくなってしまうのでしょうか?
現在の元気な若木だけでは、これまでのような樹氷は見れないそうです。
なので、対策として、植樹や種蒔で樹を増やし、草刈りなど手入れをしていく必要があるようです。
被害が大きい山頂付近では、これまでのような樹氷を見れるようになるまで50年以上もかかるとされています。
美しい蔵王の樹氷をいつまでも見れるといいのですが・・・。
さいごに
蔵王の樹氷は、自然の造形美です。
その幻想的な光景が見れなくなるかもしれません。
樹氷がつくアオモリトドマツが枯れてしまっているのです。
原因は、キクイムシという虫の害です。
今後も美しい樹氷を見れるといいのですが、そのためには新たに樹を増やさないといけないようです。
順調に樹が増え、アオモリトドマツの林が再生することを願うばかりです。
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