秋にも「秋の七草」があります。
ですが、「春の七草」のように食べることはできません。
「秋の七草」は、目で見て楽しむ植物です。
ただ、覚えにくし、楽しみ方もいまいち分からないですよね。
そこで、「秋の七草」の覚え方&花言葉を紹介します。
また、「中秋の名月」に飾る理由と飾り方もお伝えします。
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秋の七草の覚え方は?
奈良時代の貴族・歌人であった山上憶良が『万葉集』の歌の中で詠んだのがはじまりとされる「秋の七草」。
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花 ”
こちらが、その『万葉集』の歌になります。
この歌の中で詠まれている7種類の植物が、「秋の七草」です。
つまり、「秋の七草」は、山上憶良が『万葉集』の歌の中で選定した植物なのです。
「秋の七草」には、秋に花の咲く草花で代表的なものが選ばれています。
~「秋の七草」~
★ 萩(はぎ)
★ 尾花(おばな)→ 薄(すすき)
★ 葛花(くずばな)→ 葛(くず)
★ 撫子(なでしこ)
★ 女郎花(おみなえし)
★ 藤袴(ふじばかま)
★ 朝貌(あさがお)→ 桔梗(ききょう)
この中で、「朝顔」は、もともと日本の植物ではありません。
ですが、この頃にはすでに日本でも広く栽培されていたそうです。
ただ、『万葉集』のなかで詠まれている「朝顔」とは、「桔梗」だったという説
が定説となっています。
一方で、今のアサガオや、ムクゲ、ヒルガオとの説もあります。
では、「秋の七草」の覚え方を紹介します。
面白い覚え方がありますよ。
★「ハスキーなお袋」での覚え方
「ハ」・・・萩(はぎ)
「ス」・・・薄(すすき)
「キ」・・・桔梗(ききょう)
「-」
「な」・・・撫子(なでしこ)
「お」・・・女郎花(おみなえし)
「ふ」・・・藤袴(ふじばかま)
「く」・・・葛(くず)
「ろ」
★「お好きな服は?」での覚え方
「お」・・・女郎花(おみなえし)
「す」・・・薄(すすき)
「き」・・・桔梗(ききょう)
「な」・・・撫子(なでしこ)
「ふ」・・・藤袴(ふじばかま)
「く」・・・葛(くず)
「は」・・・萩(はぎ)
他にも覚えやすい語呂合わせがないか考えてみるのも良いでしょう。
頭の柔らかいお子さんなら、もっと面白い覚え方が見つかるかもしれませんね。
また、お子さんと「秋の七草」ゲーム感覚で覚えるのも楽しいでしょう。
秋の七草の花言葉は?
「秋の七草」の花言葉を見ていきましょう。
★ハギ
「想い」「柔軟な精神」
★ススキ
「活力」「心が通じる」
★クズ
「根気」「努力」「治癒」
★ナデシコ
「貞節」「純粋な愛」「才能」
★オミナエシ
「美人」「親切」「永久」
★フジバカマ
「ためらい」「躊躇」
★キキョウ
「変わらぬ愛」「誠実」「清楚・気品」
どの植物も素敵な花言葉ですね。
「敬老の日」のプレゼントに取り入れても良さそうです。
秋の七草を生け花で楽しには?
「秋の七草」は、「春の七草」とは異なり、食べられません。
それぞれに薬効成分が含まれていますが、専門的な知識が必要となります。
なので、「秋の七草」は、鑑賞して楽しんでください。
「秋の七草」は、秋に美しく花を咲かせる植物が多く選ばれています。
なので、鑑賞用に最適です。
ご自分で生けた花をご家族で楽しむのもいいですよね。
そこで、生ける時の水揚げの仕方などをご紹介します。
★ハギ
毎年古い株から芽を出すことによる「生芽」(はえき)が名前の由来とされています。
「ハギ」には、神経を落ち着かせる効果があります。
また、「気」が滞った肝経の流れをスムーズにするとも言われています。
水揚げがとても悪いので、切り口を裂いてすぐに深水につけておきます。
葉裏にも水を打っておきましょう。
少しシャキッとしてきたら、切り口を水につけたまま、斜めにカットします。
★ススキ
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ススキの穂が動物に似ていることから尾花と呼ばれています。
お月見には、豊作を祈願してススキを供えます。
乾燥させた根茎には利尿作用があります。
水揚げは悪いです。野生のものは、水切りをした後に「お酢」につけると少し長持ちします。
葉は乾燥しやすいので、深水につけておきます。
★クズ
葛粉として食用されます。また、漢方の葛根湯の主材としても有名です。
★ナデシコ
ナデシコはその可憐な姿から「頭を撫でて慈しみたい子」の意を表していると言われています。
[水揚げ]・・・水切り水切りしますが、茎の節が折れやすいので、丁寧に扱ってください。
★オミナエシ
黄色の可愛らしい小花を咲かせますが、独特の匂いがあります。
いい匂いではないので、使いすぎないようにしましょう。
漢方では利尿、排膿に用いられ、むくみを取る効果があります。
全体を新聞紙などでくるみ、60~80℃の湯に切り口さっと浸けます。
変色したら、深水に1時間以上浸けておきます。
その後、変色した部分をカットします。
水も臭くなるので、毎日取り替えましょう。
★フジバカマ
乾燥させた葉は、良い香りがするので、中国では香草として用いられてきました。
薬草としては、解毒作用があります。
水が下がりやすいので、まめに切り戻しましょう。
★キキョウ
根に「サポニン」と言う薬用成分が多量に含まれており、喉の痛み、
せき止めなどとして用いられています。
全体を新聞紙などでくるみ、60~80℃の湯に切り口さっと浸けます。
変色したら、深水に1時間以上浸けておきます。
その後、変色した部分をカットします。
水揚げがよくないので、切り花延命剤を使うと多少長く楽しめます。
「秋の七草」には水揚げが悪いものが多いので、多少管理が大変にはなります。
ですが、秋らしい生け花に仕上げることが出来るでしょう。
これらの「秋の七草」の他に、「リンドウ」や「ケイトウ」などを入れるのもおすすめです。
メリハリがあって華やかになりますよ。
秋の七草を中秋の名月に飾りましょう!飾る理由
秋は、お月様も美しい時です。
上手に生けた「秋の七草」を飾ってのお月見は、風情があっていいですね。
「中秋の名月(十五夜)」とは、旧暦8月15日をさします。
この時に、稲穂に見立てた「すすき」や秋草、そしてお団子などを供えます。
このようなお供えをして、秋の収穫に感謝しながらお月見をする習わしがあります。
「秋の七草」ならぴったりですね。
「秋の七草」は、鑑賞して楽しむ植物です。
そして、「中秋の名月(十五夜)」も美しい月を鑑賞できます。
秋の美しさを何倍も楽しめる機会となりそうですね。
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さいごに
「秋の七草」を紹介しました。
どこにでもありそうな「すすき」ですが、最近は見かけなくなってきました。
「秋の七草」は、昔からどこにでもある植物です。
しかし、近年は、「すすき」のように野生のものが減り、絶滅危惧種に指定されているものもあります。
自然が大切にされ、いつまでもこれらの「秋の七草」を楽しむことができるといいですね。
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