奈良時代の貴族・歌人であった山上憶良が『万葉集』の歌の中で詠んだのがはじまり
とされる「秋の七草」。
今回は、「秋の七草」の花言葉や飾り方をご紹介します。
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秋の七草の花言葉は?
「秋の七草」は、次の7つの植物になります。
『萩(はぎ)』『薄(すすき)』『葛(くず)』『撫子(なでしこ)』
『女郎花(おみなえし)』『藤袴(ふじばかま)』『桔梗(ききょう)』
馴染みのある花が多いですが、花言葉はご存知ですか?
それぞれの植物の花言葉をご紹介しますね。
★ハギ
「想い」「柔軟な精神」
★ススキ
「活力」「心が通じる」
★クズ
「根気」「努力」「治癒」
★ナデシコ
「貞節」「純粋な愛」「才能」
★オミナエシ
「美人」「親切」「永久」
★フジバカマ
「ためらい」「躊躇」
★キキョウ
「変わらぬ愛」「誠実」「清楚・気品」
どの植物も素敵な花言葉ですね。
「敬老の日」のプレゼントに取り入れても良さそうです。

オミナエシの花にミツバチ
秋の七草を生け花で楽しには?
「秋の七草」は、鑑賞を楽しむためにあります。
ご自分で生けた花をご家族で楽しむのもいいですよね。
そこで、生ける時の水揚げの仕方などをご紹介します。
★ハギ
毎年古い株から芽を出すことによる「生芽」(はえき)が名前の由来とされています。
「ハギ」には、神経を落ち着かせる効果があります。
また、「気」が滞った肝経の流れをスムーズにするとも言われています。
水揚げがとても悪いので、切り口を裂いてすぐに深水につけておきます。
葉裏にも水を打っておきましょう。
少しシャキッとしてきたら、切り口を水につけたまま、斜めにカットします。
★ススキ
ススキの穂が動物に似ていることから尾花と呼ばれています。
お月見には、豊作を祈願してススキを供えます。
乾燥させた根茎には利尿作用があります。
水揚げは悪いです。野生のものは、水切りをした後に「お酢」につけると少し長持ちします。
葉は乾燥しやすいので、深水につけておきます。
★クズ
葛粉として食用されます。また、漢方の葛根湯の主材としても有名です。
[水揚げ]・・・水切り★ナデシコ
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ナデシコはその可憐な姿から「頭を撫でて慈しみたい子」の意を表していると言われています。
[水揚げ]・・・水切り水切りしますが、茎の節が折れやすいので、丁寧に扱ってください。
★オミナエシ
黄色の可愛らしい小花を咲かせますが、独特の匂いがあります。
いい匂いではないので、使いすぎないようにしましょう。
漢方では利尿、排膿に用いられ、むくみを取る効果があります。
全体を新聞紙などでくるみ、60~80℃の湯に切り口さっと浸けます。
変色したら、深水に1時間以上浸けておきます。
その後、変色した部分をカットします。
水も臭くなるので、毎日取り替えましょう。
★フジバカマ
乾燥させた葉は、良い香りがするので、中国では香草として用いられてきました。
薬草としては、解毒作用があります。
水が下がりやすいので、まめに切り戻しましょう。
★キキョウ
根に「サポニン」と言う薬用成分が多量に含まれており、喉の痛み、
せき止めなどとして用いられています。
全体を新聞紙などでくるみ、60~80℃の湯に切り口さっと浸けます。
変色したら、深水に1時間以上浸けておきます。
その後、変色した部分をカットします。
水揚げがよくないので、切り花延命剤を使うと多少長く楽しめます。
水揚げが悪いものが多いので、多少管理が大変にはなりますが、秋らしい生け花に
仕上げることが出来るでしょう。
これらの「秋の七草」の他に、「リンドウ」や「ケイトウ」などを入れるとメリハリ
があって華やかになりますよ。
秋の七草を中秋の名月に飾りましょう!
秋は、お月様も美しい時です。
上手に生けた「秋の七草」を飾ってのお月見は、風情があっていいですね。
「十五夜」とは、旧暦8月15日をさします。
この時に、稲穂に見立てた「すすき」や秋草、そしてお団子などを供えて、
秋の収穫に感謝しながらお月見をする習わしがあります。
「秋の七草」ならぴったりのお花たちです。
2016年の「中秋の名月」は、9月15日(木)です。
しかし、この日は「満月」ではありません。
「満月」になるのは、9月17日(土)です。
どちらも美しいお月様なので、両方とも見ていただきたいです。
これくらいの間なら、生けたお花もきれいな状態で楽しめるでしょう。
まとめ
どこにでもありそうな「すすき」ですが、最近は見かけなくなってきました。
「秋の七草」は、昔からどこにでもある植物です。
しかし、近年は、「すすき」のように野生のものが減り、絶滅危惧種に指定されているものもあります。
自然が大切にされ、いつまでもこれらの「秋の七草」を楽しむことができるといいですね。
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