『ひな祭り』といえば、そう、「雛人形」ですよね。
今はアパートやマンションなどの集合住宅で暮らす方も多くなり、フルセットの大きな雛段が
あるご家庭も少なくなりました。
そのため、お内裏様とお雛様の2人だけの「雛人形」も多く出回っていますよね。
しかし、シンプルな「雛人形」であっても、いざ飾るとなると大変です。
それらの位置や持ち物で毎年迷う・・・なんてループにハマっていませんか?
はい、これってズバリ私のことなんですが。
また、もう少し大きな雛壇になると、あのお方達が登場しますよね。
そうです、「三人官女」の3人です。
実は我が家も、このお内裏様&お雛様+三人官女のパターンの「雛人形」なのです。
それにしても、彼女達は一体何者なんでしょうか?
今回は、そんな「雛人形」の飾り方についてご紹介していきます。
お雛様の位置や小物などの飾り方、そして気になる三人官女について勉強していき
ましょう。
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雛人形を飾ろう!お雛様の位置や小物の飾り方は?
女の子がおられる多くのご家庭では、3月3日の『桃の節句』にあわせて「雛人形」を飾られる
でしょう。
年に1度の素敵な行事です。
きちんと飾ってあげたいのですが・・・
年に1回のことなので、記憶もあやふやになりますよね。
「あれ?お内裏様とお雛様、どっちがどっちだっけ?」とか「誰がどの小物を持つんだっけ?」
なんてことで悩むものです。
実は、これ私のことでして・・・
毎年迷うんですよね。
実家に大きな「雛人形」があったのに、全く学習していない自分も悪いのですが。
でも、せっかく覚えても、次に飾るのは一年後ですから、どうしても忘れちゃうんですよね。
今回は、コンパクトタイプの「雛人形」で、今人気の『三段飾り』について見ていきます。
まず、「お内裏様」と「お雛様」の” 位置 ” についてです。
一般的には、「お内裏様」が向かって「左」、「お雛様」が「右」となります。
「雛人形」とは、お雛様の結婚の儀を表したものです。
なので、結婚式の新郎新婦と同じ並びなんですね。
しかし、ここで注意したいことが1つあります。
実は、「京雛」や「日本古来の雛人形」は、左右が逆になっていることがあるのです。
その理由は、古来から「左側が上位」とされているため。
これから考えて、「雛人形」を飾る場合、向かって「右側が上位」となるわけです。
ですが、明治の文明開化以降、考え方が徐々に西洋式になりました。
それで、「向かって左が上位」という風に変わってきたのです。
このため、「京雛」や「日本古来の雛人形」と、現代のお雛様とは、位置が左右逆になるという
わけです。
次に、「お内裏様」と「お雛様」の ” 持ち物 ” についてです。
まず、「お内裏様」の持ち物から見ていきましょう。
手に細長い板を持っていますよね。
これは「笏(しゃく/こつ)」と呼ばれるものです。
古くから、男性が、威儀を正すために持つものとされています。
ここでいう「威儀を正す」とは、どういうことなのでしょうか?
この意味は、「身だしなみをきちんと整えて、礼に沿った威厳ある所作を行うこと」とされて
います。
なんだかちょっと難しいですよね。
簡単にいうと、現代の式典などに出席する際にするきちんとした身なりのことです。
さらに、束帯を身に着けているときには、櫟(いちい)で作られたものを用いるのが当たり前だった
そうです。
この笏を人物側に向けた持ち手には、儀式の際の進行などが書かれてあったと言われています。
次に、「お雛様」の持ち物についてです。
手に持っている物は、「檜扇(ひおうぎ)」という、木でできた扇です。
これには、宮中で行われる行事のお作法などが書かれていたとされています。
さらに、女性が顔を覆う役割も担っていたそうです。
これには、平安時代という時代背景が大きく現れています。
この時代の宮中では、女性が人前でみだりに顔を晒す(さらす)ことは、あまり良いことではなかっ
たのです。
それで、礼儀の一つとして用いられていたのではないかと考えられています。
そして、気になる1段目の小物と飾り方を見ていきましょう。
● 両端に置く雪洞(ぼんぼり)
● 主役のお内裏様とお雛様
● 真ん中にお神酒
ひな祭りの歌で「明かりをつけましょぼんぼりに~♪」の「ぼんぼり」は、ずばりこれなんですね。
2段目には「三人官女」が並びます。
こちらについては。次の章でご紹介していきます。
最後の3段目には、小物がたくさん並びます。
「橘(たちばな)」→「籠」→「重箱」→「御所車」→「桜」
の順に飾っていきます。
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雛人形で三人官女の持ち物って意味あるの?
では、お雛様の名脇役「三人官女」について見ていきましょう。
「官女」と聞くと、なんとなく位が低いというか、召使いやお手伝いさんみたいなイメージがある
かもしれませんね。
しかし、平安時代から続く女の世界は、まさに男子禁止の大舞台。
そんな中で「官女たち」は、お雛様の生活の全てを管理するお仕事をしていたのです。
つまり、今でいうところのバリバリのキャリアウーマン。
しかも、1人のお雛様に3人しか付けないのですから、まさに選び抜かれた、選りすぐりのトップ3
というわけです。
お雛様の身の回りのことは、お任せあれのエキスパート集団とでも言っておきましょうか。
さて、そんな「三人官女」は、お雛様の身の回りのお世話以外に、お雛様に物事を教える、家庭教師
のような役割も担っておりました。
女性が結婚すれば、男性側の家に嫁ぐのが一般的ですが、お雛様の場合はこの官女達も一緒について
行ったわけです。
この時代のお雛様は、結構世間知らずな場合が多く、三人官女はそんなお雛様を支える重要な役割を
背負っていました。
ですので、三人官女の位はかなり高かったともされています。
それなりの権力が無ければ、周りを動かすこともできませんし、お雛様に意見することもできないで
すからね。
さて、「三人官女」には、それぞれに役割があるってご存知でしたか?
まず、「三人官女」の中でも年齢が1人だけ ” 年上 ” の人がいます。
それは、眉が無くて口が黒い女性。
実は、この女性は既婚者なのです。
この時代は、結婚指輪などがなかったので、既婚者は眉を剃り、お歯黒を付けて区別していたのです。
この既婚者の官女が、「三人官女」の ” 真ん中 ” に座ります。
そして、持ち物は、「お酒を入れる盃(さかずき)」です。
他の2人は、眉がありますし、歯も白いので未婚女性。
この若い官女達は、どちらも「酒器」と呼ばれるお酒が入った器を持っています。
1人は、お茶の急須に似た「提子(ひさげ)」。
もう1人は、長い柄がついている「銚子(ちょうし)」。
これらを持ち、真ん中の官女が持っている「盃(さかずき)」にお酒を注ぎ、お祝いをする役割をして
いました。
ちなみに、この2人の若い官女の位置ですが、見分けるポイントは「足」にあります。
この2人の「前に出ている足」が異なっているのです。
「前に出ている足」の ” 向き ” が、「外になる向き」に配置するのが正解となります。
ですから、「前に出ている足」が ” 左足 ” であれば、” 左足 ” が外になるように配置するわけです。
よって、向かって「左側」に飾るということになります。
ただ、ぱっと見た程度では判断しづらいです。
よーく見ると、どちらかの足の袴が前へ盛り上がっています。
このようにして判断してみてください。
また、「三人官女」の全員が座っていて、「足」では位置が判別できない場合もあります。
その時には、白酒が注がれる順番を考えるといいでしょう。
お雛様での白酒は、「提子(ひさげ)」に入っていて、それを「銚子(ちょうし)」に注いで、
最後に「盃」へ注がれます。
お雛様での上座は「左から」ですから、「左から右」、そして「中」の順番にお酒が注がれていきます。
つまり、左の官女が「提子」で、右の官女が「銚子」を持つことになります。
▼ (左)急須みたいな「提子」、(右)長い柄の「銚子」を持った官女
ちなみに、この時のお酒は、蒸したもち米にみりんを加えて、数週間後に臼で引き下ろして作られてい
ました。
アルコール度数は、何と10%前後もあったといわれています。
そして、女性の好みに合わせて、甘味が強くしてあったそうです。
さいごに
いかがでしたか?
これで、『ひな祭り』の「雛人形」を、間違えることなく飾れるのではないでしょうか?
むしろ、「三人官女」や「小物」のことなど、ここまで知っていたら、お子さんに「すごーい!」なんて
言われてしまうかもしれませんね!
女の子にとっては、年にたった1度しかない『ひな祭り』。
女の子が誰でも主役になれる素晴らしい日です。
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是非とも、「雛人形」を飾って、楽しくお祝いしてあげてくださいね。
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